一応、3巻発売&40000ヒット記念ということで。
とらドラSS。
将来的にこんな展開イイナーとか思った次第。
背伸びする大河はかわいいと思う。それで届かなくて怒る・照れる大河もかわいいと思う。だが、一番はみのりんがかわいいと思う。
そして、3巻がうちに届くのはいつだ。教えろgoo!というか密林。
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- 「いい加減起きろ。朝だ」
高須竜児の一日の始まりはこんな感じ。
もちろん艶っぽい話ではなくて、もはや朝の日課になった感のある逢坂大河目覚ましイベントである。
かわいい寝顔でスースー言ってるうちはいいが、起こされると途端に不機嫌になる。低血圧というよりは、寝ている虎を起こしてはいけないという格言を思い出す。
そう、彼女は彼女に非ず。人呼んで「手乗りタイガー」凶暴獰猛で知られる札付きの虎なのだ。
「・・・・・・誰が虎ですって?」
あぁ、ほら。
起きたらもうあの純真さは帰って来ない。
「いいから起きろ。ギリギリなったら置いてくぞ」
「そうしたら断固としてその足を蹴り折る。大体、人の寝顔ジーっといやらしい目で見てたのにそういうこと言う?」
「見てないぞ。すぐに起こした」
「5分弱くらい?」
むぅ。
タヌキ寝入りならぬ、虎寝入り。やはり気配には敏感なのか。いや、安物の目覚ましが(蹴)落とされてるところをみると自分で起きて待っていたのかもしれない。単純に怠け癖だろうが。
返事に詰まると中段をいれ、いそいそと準備を始める大河。まぁ、これも日常茶飯事な訳で。
「大河、弁当置いとくぞ」
「今日のは?」
「昨日の余りモノだ。長く置けないからな」
ちなみに大河が作った野菜炒めのような、とりあえず食べられる?くらいのレベル。
まだ食べれる分だけ上達した方だ。塩と砂糖を間違えるくらいは耐えられる。あとは、途中で謎の工程を踏ませないだけだ。
「・・・・・・たまには昼に肉食べたい」
「学校に鉄板持っていく気か」
* * *
とりとめの無い会話をしながら準備完了。
「準備完了。さぁ、昼食まで頑張れ私」
「その気力をもっと真面目に使え。・・・・・・ほら、寝癖」
言いながら整えてやる。
いや、言うほど撥ねてはいないけど。おとなしくしてるのがあまり無い大河だ。これくらいの嘘ならバチはあたるまい。あぁもう、とか言いながらゆっくり手入れしてやる。
楽しい時間はあっという間。次は明日のお楽しみ。さぁ、今度は学校での幸せを満喫しよう。
「よし、終了。行くぞ」
「あ、待って竜児。ほら・・・・・・」
ん? あまり気に入らなかったか? それならそれでいいんだが。
相変わらず正面数センチの距離でモゴモゴ言う大河。
「どうした?」
「ほら、行ってきます」
「あぁ、そうか。行ってきます」
「違うでしょ!」
あ、なんかミスだ。
上、自分を向いて何かを強請るような不満顔。
「行ってきます」
「・・・・・・行ってらっしゃい?」
「・・・・・・違う」
何だ。読めん。
こちらを向いて、不満進行中。
「何か! あるんじゃないの?」
「・・・・・・」
考えろ。
「わかった。今日の夕飯は豚に」
「違う!」
「何だ、牛のが」
「全然違う!」
軽く脛を蹴られた。
「いいから、次で正解しないとヒドイわよ」
・・・・・・これは、俺がヒドイ目を見るということか。
自分を向いてる大河は真っ赤。
「行ってきます・・・・・・」
衝撃が走った。
答えはわかったが自分は無力だ、この怪異の前では。なにせ、先程まで普段通りの横暴大河が上向いて目瞑って唇突き出して、これは所謂、行ってきますのアレをしろと?
大河不動。やや赤み増加中。
いや、俺としても男だ。しかもこれは願望というか、むしろ夢? 俺が寝坊してるのか、これは。だが身長差(165-150)を埋める為だろうか、大河が踏んでいる足の甲は激痛を訴えている。現実、としておこう。あぁ、それにしてもかわいいなぁコイツ。これで暴れなかったらそれこそ最高なのだが。いや、怒った顔もかわいいが。本人に言ったら真っ赤になって落としにかかるだろう。時間経過中。独特の柔らかい香りが鼻をくすぐる。
大河微動。だんだん震えてきている。
竜児不動。上向いて固まっている。生まれもっての強面は端から見れば人を殺さんばかりの勢い。
そして二人揃って天井を見上げる形。
「・・・・・・竜児?」
「・・・・・・おぅ」
間抜けな回答だな、と思った矢先、
「んッ」
「が!?」
強烈なボディブロー。捻りの利いた左が無警戒の腹を抉り、体が「く」の字に曲がる。
手の届く位置。
あぁ、さすがだ大河。確かにこっちのがお前らしい力技だ。V3もびっくりだ。
両手を後頭部で組ませ、完全に紅潮しきって湯気立ってる大河の顔が間近に迫り、
「ッらぁ!!」
それを通り越してヒザが来た。
最初のおねだりとは違う質量を持った衝撃を受け、朝から早々一発目のダウン。
連続技すごいな、お前なら世界を取れるぞ大河。
勝ちどきを挙げる大河を見ながら、倒れる。
でも朝は遅刻するからやめれ、と最後に思いながら。
* * *
坂道を二人で走ってのぼる。
周囲は遅刻ギリギリで走るヤツ、諦めて歩くヤツ。そして両方ともに俺たちを見ると道を開ける。朝から軽くブルー。
「結局ギリギリじゃねぇか!」
「膝一発で沈むあんたがヘタレ過ぎなんじゃないの!?」
「・・・いや、だってお前があそこでそういうことを」
「はぁ何!? 全然聴こえないんだけど!!?」
嘘つけ。真っ赤になってるじゃねぇか。
ぶつぶつ文句を言う大河をそれでもかわいく思うのは、多分に変になってきたからだろう。そうしておこう。治さねば。主に大河を。
手を差し出す。
「ほら、急ぐぞ」
手が重なる。
「私のが足速いと思うんですけど」
なぜ敬語?
「俺は竜だからな。空を飛べるのさ」
「バッカみたい」
言いながらも、強く握り返してくる手が嬉しかった。その心が、今の自分の一番大切なもの。
まぁ、いろいろ不慣れだけど、それでも二人で楽しめるだろうさ。
俺たちは竜と虎。向かい合って笑いあうのがお似合いだ。竜虎相打つ。いい言葉じゃないか。
「さっきからニヤケっぱなしで気持ち悪いんだけど」
「・・・・・・おぅ」
* * *
「大河、酷いよ・・・・・・」
校門前。人影一つ。
朝練終わって待ち構えてたが、みのりん不発。櫛枝爆弾終了。
「私、道化? 道化なの!? ・・・・・・しょうがないよね、高須くん一緒だったしね。そう、しょうがないから今日の私はリベンジャー! 大河を狙う孤高のリベンジャー!! え、じゃあライバルは高須くん? ふははははは、恐るるに足らず!!」
「・・・・・・みのりーん、遅刻だよー?」
「今は関わらない方がいいよ・・・・・・」