空色妄言ゴシックブルー - とらドラ!

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20070208052139
「とらドラ」と聞くだけで胸ときめく変態です。
風邪ガハガハ状態でレビュー書いてた。真っ当なのは明日ちゃんと出す。

:
竜虎スキーの自分としては悲しい。
だから、次巻までワンフレーズを糧に頑張ろうと思うんだ。
お手持ちの方は158ページ開いて。

別に離れたいわけではない。
別に離れたいわけではない。
別に離れたいわけではない。
別に離れたいわけではない。
別に離れたいわけではない。

六畳間の距離感最高。

あと、掃除フェチ。
「すげぇぞ‥‥これは、大変なことになるぞ‥‥‥」
こんな豪邸を掃除できる日がくるなんて。
「いいぜ‥‥掃除ならいくらでも、俺、いいぜ‥‥‥」

「‥‥あんた、今、変態の目してる」

そしてみんな、忘れるな。
5巻の味噌は、
・大河の逆襲
・インコちゃんの生死
だ!

あー、「わたしたちの田村くん」では相沢派だけど、こっちでは大河派。
王道、大河成長並立エンドを絶対死守で。

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正月は振袖だーーーッ!
消えろ俺ーーーーーッ!!

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最近検索で「とらドラ SS」で来る人が多いです。今月すでに60件越えてるし。グーグル検索でソレで一位になるという意味の分からない優遇(イジメ?)だからですけどさ。

で、せっかく六万なのでまた駄文。昨日作ったほやほやです。消えればいいのに。
一応元旦もの。時期ズレなのはネタだけだして放置してたから。

ネタだけなら出せる。文才は無い。
ようは、垂れ流し。
続きを操作する [entry_more] ▼▲
「初詣だ」
「初詣ね」

 初詣だ。めでたい。それは良い。新年といえば来るかわからない年賀状に気を使ったり、特番観たり、それはもう年始めだから普段はやらないこともやったりする。もちろん初詣もその一つだ。宗教やっていない限りはお寺なんぞはまず行かない。せいぜい法事か祭りか初詣であり、そして今日は初詣である。問題は別にある。

「4人、だな」
「4人ね」

 俺こと高須竜児、連れの手乗りタイガー逢坂大河、愛しの(思うだけで赤面するが通報されるので自粛)櫛枝実乃梨、親友の北村。問題に気付いたか? 気付いてくれ、と思う。つまり、男女2×2な訳だ。もちろん犯罪だ。このまま二人で(もちろん櫛枝と)逃げようと叫びたいぐらいに有罪なのだ。一年の計は元旦にあり。去年一年分の刑はとりあえずおいといて幸先の良いスタートと言えよう。
 だが。なのに。

「寺だな」
「寺ね」

 すでに寺到着なのである。
 そんな馬鹿な!と声を大にして叫びたい。ここに来るまでいくつものシュミレーションを重ねたというのに。そう、段取り通りでいけば今頃は今までみたく「櫛枝」じゃなくて「みのりん」って呼んでて、手とか握っていたらなお良し!みたいな感じを予想していたのに。
 結局のところ、バイトが終わって合流した櫛枝の反則的な晴れ着で計画は全て吹き飛んでいたのだ。

「あ、大河! それに高須くん! あけおめ! ゴメンね、待った?」
「・・・・・・」
「あけおめみのりん。大丈夫、全然! こっちもエロ犬が仕度で遅れてたし今来たとこだし。って、みのりんかわいい!」
「ふふふ、今日は元旦、なればこそ! 少女と呼べる最終年にこそと思ってのこの晴れ着よ。観たまえよ大河、この晴れ着を着るために、鍛え上げたこのラインを!」
「・・・・・・すっごいね。でも、そんな浴衣持ってたっけ」
「無ければ作るのがうちなのさッ! 高須くんどう? 似合う?」
「・・・・・・おぅ」

 回想1終わり。
 輝いていた。夜の闇の中、それはきっと星よりも輝いていた。そんな櫛枝に話しかけられ、俺に何が出来るという。詰まるところ、晴れ着のキレに、眩しさに、うぉ!となりまともに会話を出来ずにここまで来てしまったのである。浴衣にしても「作ったんか!」とかなんとか突っ込みどころもあったが、欠片も出なかった。そして、撃沈されタイタニックの如く劇的な勢いで沈む俺の横で続けて事故は起こった。

「お、もう皆到着済みか。なんだ俺が一番最後だったか」
「き、きたた、北村くん?!」

 眼鏡が現れた。大河にしてみたらきっと猟奇的にあらわれた。
 そう彼こそが大河の想い人にして我が(唯一の)友人の北村である。人のことは言えないがばくばくしている大河。心を、きっと勇気を砕かれたに違いない。

「あれ、みのりん、わたし、きいてない。え、何?」
「部活のみんなとは明日行くんで今日は一緒に行けるんだって」
「よう逢坂! 今日も高須と一緒か。本当に年始から仲が熱いなぁ!」

 相変わらず読まない男である。
 太陽の微笑で、それは大河を地獄へ落とす。

「ち・・・違・・・・・・」
「はっはっは、照れるなって。俺らは一向に構わん! では先行しようか櫛枝部長」
「では行こうか北村部長。男女ハンド部長団出陣!」
「ちょ・・・・・・」
「・・・・・・待って」

 回想2終了。
 かくして、それぞれの想い人を前にして、輝く二人を前にして、光を掴み損なった竜虎のゾンビはダラダラと寺までやってきてしまったのである。


   *   *   *


「だが、そう、まだ諦めるには全てが早い」
「・・・・・・なんかあんたが自信満々ってのは逆に不安だわ」
「まぁそういうな。今回の作戦は完璧だ」

 そう。これもまた高須ノート(要は一人シュミレーションだが)の一ページ。

「元旦の初詣、買うのは?」
「・・・・・・お賽銭?」
「それは入れるものだ。買うのは、『縁結び』だ!」

 あからさまに怪訝な顔つきの大河。だが、このパーフェクトプロジェクトを前に何時までその平静を保てるかな?

「買うのは・・・・・・そう、『縁結び』だ」
「繰り返さないで、うざい。だから、何?」
「つまり、同じ縁結びを二つ買って一つを相手に渡す。一つを自分が持つ。結果的にペアのやつを持つこととなる。神頼みは聞こえは悪いがこれくらいの邪心なら大目に見るだろ」
「・・・・・・あんたいつもこんなこと考えてるの? 本気で消えて欲しいわ」

 新年早々奈落の底に落とされた。
 新年と言っても新しく生まれ変わるのは還暦の人だけで、基本俺らはいつもどおり過去を引き摺って歩く咎人。罪を帳消しにするにはあと40年以上をこの地獄に等しき世界で待たなければならんのか。しかし、罪を裁くは神であり、人間同士は許しあい認め合うのが人情であり、男女は愛し合うのが理であり、竜虎でもそれなりに互いを尊ぶのが礼ってものであって、それをお前、新年早々・・・・・・。

「・・・・・・どこ飛んでんのよ」
「・・・いや、堕ちてるんだ、新年早々深淵・・・・・・はっ!? 櫛枝!!?」
「え、北村くん!? うそ、いない! ・・・・・・この、バカ犬・・・」
「俺じゃないだろ! とりあえず、とっとと二人見つけるぞ。絶対勘違いしてる」
「・・・・・・」

 そう、これではいつものパターン。それじゃいかんのだ。大河がどれほど誤解を解こうとしても、俺がどれほど全力で否定しても、北村も櫛枝もわかってはくれないのだ。恐るべし天然。直感で生きてる人間はここらへんの頑固さが問題だ。それで人生うまくいっているあたりは、俺には無く大河には無縁の人徳?というやつかもしれない。ともかく、油どころかTNT真っ青の爆発力の二人を勘違いさせたまま放置することは絶対にいけない。大河もそこはわかっているのか、急ぐように俺のマフラーを掴んで逆方向

「っておい! 境内逆、逆! つか絞まってる! やめろ大河!!」

 ぎゅーぎゅー、と。文字通り真綿で首を絞められる。
 これはあれか、勘違いされる要因のをここで消してしまおうという腹か、そうなのか大河!

「・・・・・・先に、縁結び買うのが先決でしょう」
「ギブだって! 放せ、やめるんだ大河! 第一おまえさっき・・・!」
「こっちは下手に出てあんたの案に賛同してんのよ。ほら、さっさと行くわよ」

 優位に立っているせいか新年だからか、普段に増して今年の虎は狂暴です。

   *   *   *

 縁結びは種類があったが、狙ったように竜と虎の二個一セットの縁結びがあった。値が2000円、二人合わせて4000円と若干痛いが、それに見合う成果を期待しよう。

   *   *   *

 結局櫛枝たちと合流したのは、はぐれ(させられ)てから40分後だった。最初に大河と俺を二人きりに置き去りにしたあと、賽銭とかすませて売店で待っていたらしい。

「大河ー、高須くーん!」
「二人ともこっちだ! ちゃんと席取ってあるぞー!」

 いい気なものである。こっちは結構死ぬ直前だったぞ。何故かインコちゃんが見えたのが不思議。あ、そういえばご飯をあげていない。・・・・・・ブサイクな夜の顔を見たくは無いので悪いが明日までガマンしてもらおう。すまん、インコちゃん。
 大河は速攻で櫛枝に絡まれている。

「で、で? 二人きりでの感想はどうだい大河よ?」
「・・・最悪。みのりん、こんなケダモノと金輪際一緒にしないで」

 言いたい放題である。だが櫛枝があちらにいる以上、下手をすれば蛇足になるのがオチか。
 大河と櫛枝はそのあとおみくじがどうとか、女の子らしい話題で話に花咲かし、北村は北村で売店のおばさんに「これは本場の味! あなたはまさか、さすらいの・・・」とかかんとか、よく意味の通じないやりとりをしている。どちらの会話にも混じれない俺は、焼き鳥を齧りながら行き交う人ごみを眺めていた。視線向けた方から人がいなくなるのがいつにも増して哀しい。

「でも40分かー。賽銭とかおみくじも終わってるところを計算に入れて、空白は5分前後・・・・・・。高須くん速いねー!」
「みのりん、めでたい年明けに変な事言わないで」
「・・・・・・」

 俺には話題なんてありません。聴こえません。


   *   *   *


 帰りは行きと同じ展開。俺と大河のおみくじを櫛枝と北村が笑い話にして、でも恋愛欄とかを真面目に暴走して竜虎はばっさり斬られました。本日二回目。
当然といえば当然な話だが、縁結びを渡す余裕などは無くお開き。

 収支報告。

 去り際にみのりんは言った。
「休みの間はだいたいバイトしてるから遊びに来てねー!」
好意的に解釈出来たので、結果オーライ。
 一方の大河は
「じゃあまた新学期になー! 二人ともケンカはほどほどになー!」
と、絶望的な宣告を受けダウン。ここは介錯を仕るべきか。

 しかし、ただでは起き上がらないのが手乗りタイガー逢坂大河。
「大丈夫・・・。みのりんのバイト先で遇うこともあるはずだから・・・・・・!」
「絶対に・・・、あんただけを幸せにはさせない・・・・・・」
 後半は聞かなかったことにしよう。

 心情的にマイナスも合わさってプラス帳消しのイーブン。
 小吉にはちょうど良い出だしなのではなかろうか(大河は吉


   *   *   *


 翌日。
 窓を粉砕するが如く叩く大河により安眠は妨げられた。
 ガン、ガンガン、ガンガン。ピシ。ガン、ガンガンガン。
 一拍間を置いて、今度はフライパンとお玉のコラボ。ぐわぁんぐわぁんぐわぁん。

「だぁーーーーッ! うるせぇッ!!」
「竜児! 竜児!!」
「聴こえてる! 今出るから! 響くその鋼鉄武器をしまえーーーッ!!」

 大河の暴挙は頭と家賃に直接響く。


   *   *   *


「縁結びを失くした?」
「・・・・・・うん」

 元気の欠片も無い、牙を抜かれた虎。
 原因は、これまたいつもどおりのポカなあたり、大河は変わらないなぁ、と一人ごちたりする。肝心なところでこの狂暴虎はトチるのだ。本人もそれを気にしているが、それでも改善されないあたり病状は深刻であり将来は厳しい。
まぁ、それをサポートする俺もまた、いつもどおりで変わらないか。

「・・・、・・・・・・よし、なら買いに行こう。落ち込む必要なんてないだろ」

 一番現実的で手っ取り早い案。しかし、

「神社、行って来た」
「・・・・・・」
「・・・あの縁結び、売り切れなんだって。バカ売れしたって喜んでたから」

「・・・・・・蹴ったのか」
「うん・・・・・・」

 哀れ、恐らくはアルバイトの人。命があるだけまし、きっと蹴られた瞬間を思い出すことも出来ないだろう。だが、不運なのはこのドジだ。なんでこういう場合に限って毎回毎回。きっと自分についてまわる運までも威嚇して、その戦闘能力で排除してしまっているのだろう。そう考えると俺自身もそんな気がして嫌気が差してくるのだが。
 ともあれ、手に入らないものはどうしようもない。

「「・・・・・・」」

 気まずい。
 大河自身はどう思っているのかわからんが、こっちは半分以上保護者な気分なのである。こう、大河が落ち込みまくっているのを見て黙っているのはまったくもって性に合わない。

「「・・・・・・」」

 黙って座っても事態は好転しないぞ。

「「・・・・・・」」

 ・・・・・・いや、打開策はあるのだが。

「あーーーッ! 仕方無ぇなおい!」
「りゅ、竜児!?」

 そう、竜虎相立つ、大河のミスを助けるのが俺の役目だ。とことんまで面倒見てやろうじゃねぇか。


   *   *   *


 単純な打開策っていうのは、とどのつまり俺の縁結びの片方を大河にあげるということ。それを大河が北村にあげて北村からの好感度アップ。俺は俺で俺向けの縁結びの縁結びを持っているし(正直櫛枝に渡すタイミングも無いし大河に渡そうとしたがそれは断られた)これで万事がうまくいくという寸法である。なお、虎の縁結びはさすがに「直すぎる」ので大河にあげたのは竜の方。
 珍しく殊勝な大河が「本当にいいの?」とかわいかったので、まぁそれを代金代わりと思えばなんということもない。

 ただ、縁結びを「北村にあげる」という点が男心としては微妙にもやもやするのだが。そこまで保護者面する訳にもいかないし笑って見送ることとする。

「あんた、まさか北村くん狙ってたりしないでしょうね?」
「真顔で言うな。俺のマゴコロを博愛精神ごと倍増で返しやがれ」

 まぁ博愛精神だろう。


   *   *   *


 新学期が始まったころ、売り切れの原因がわかった。

「いやぁ、竜と虎の縁結びなんてまるで高須くんと逢坂さんみたいじゃない? ステキだなーって思って全部買(いしめ)っちゃったー!」
「「・・・・・・」」

 川嶋亜美。大河の天敵、おまえが元凶か。ちょっと違うような気もするが。

「あーーみーん! 一個よーこーせーーッ!」
「ちょっ、櫛枝さんやめっ、持ち上げないでーーーーーッ!」

 乱入、櫛枝みのりには敵はいない。問答無用のデウス・エクス・マキナというかなんというか。ノリ良すぎ。大河は大河で櫛枝に取り押さえ(持ち上げ)られてる川嶋に詰め寄って例の如く優勢での掃討戦。

「・・・・・・渡す相手もいないのに発情期のチワワは大変ねー♪」
「あら逢坂さん、渡す相手はちゃんといるわよー♪」
「へっ?」
「高須くん高須くん、ちょっとちょっと。あと櫛枝さん、いい加減離して! ここ見せ場だから!!」
「あと10回!」
「ギャーーーーッ!!」
「「・・・・・・」」

 俺もあんな風に櫛枝に掴まれてみたいなぁ。


   *   *   *


「うぅ、ちくしょう、目が、くらふら」
「体型と同じく目も丸々って面白いわね。ついでに人生も転がしてあげるわよ」
「・・・・・・」

   *   *   *


「高須くん、はいコレ」
「・・・・・・」
「・・・・・・ちょっと、何ソレ」

 川嶋が放り投げてきたのは竜の縁結び。「例」の買い占めたやつの一つなのだろうか。
 と、手に収まるより前に、前に立っていた大河の腕が後方(こちら)に伸び空を切る。

「うぉっ、あぶねぇッ!!」
「うるさい、駄犬」

 反射的に罵倒できるのはコイツの特技なのではないだろうか。だがなぜキレる。寸止めな拳を面前にした俺の方にこそ怒る権利はあるんじゃないだろうか。しかし、そんな正当な反論を潰すだけの威圧感が今の大河にはある。絵巻にあるような雷とか地震とか、そういったオーラを背景にしているイメージ。これは次の瞬間には力で討って出るのではないか、と思った、そのまんまの次の瞬間、風船から空気が抜けるように場に満ちたサバンナな空気は霧散した。微妙な緊張感は残ったまま。

「ふっ」

 大河から笑みが零れたのだ。

 それは至ったことを示す笑みだ。
 それは勝負が決したことを意味する笑みだ。
 それは、大河が勝利したことを確信した笑みだ。

 川嶋に縁結びを(オーバースローで)投げ返し、大河は俺に向き直る。矛先は川嶋に向けたまま。

「残念ね、川嶋さん。竜児はこの縁結びをもう身につけてるの! その証拠にッ!」
「うぉ、やめろ馬鹿!」

 そう、俺の縁結びのつけた場所は

「そうよ! このエロ犬は『身に着けておきたいけど人目につくのは嫌』っていう理由で今が冬服なのを良いことに制服で見えないベルトの横にくくりつけてあるのよ!」

 クラスの視線が一斉に俺の腰に集まった。当然「ははは、まぁ仕方ないよな」的な生暖かい視線と冷たい視線がほとんどだ。
 あぁ、言いたいことはわかってる。そんな目で俺を見るな。逆におまえらに俺の一体何がわかるっていうんだ。

 しかし、肝心なことを大河は忘れている。そしてそれを逃すほど川嶋はお人よしではなく腹は黒い方だ。火に爆薬は放られた。

「あれ、ということはお相手は誰? 高須くん」

 満面の笑みで。


   *   *   *


「お相手は誰?」

 この単語に一番反応したのはもちろん逢坂大河であり、クラスの視線も当然大河へと集まっていた。もちろん、その中には受け取った可能性のある北村もいる。絶対絶命のピンチというやつ到来。素直に答えようものなら北村×大河は絶望的であり、もちろん俺と櫛枝との展開にも支障をきたすこと間違いなし。
 大河と目があう。完全に冷静さを欠いている。助けを求めるような、爆発しそうな危険性を孕んだ・・・・・・やばいな。

 静かに、俺の方が覚悟を決めた。
「相手はいない。竜の方は・・・親戚にやった」

 どばぁ、っとクラスに充満していた緊張ガスが抜けた。

「親戚って男?女?」
「男。片思い中だそうだ」
「逢坂にはあげてないの?」
「奴と俺とはそういう間柄ではない」
「女の子にあげろよ、面白くねぇ」
「余計なお世話だ」

 大河も幾分冷静さを取り戻している。北村は輪の中。川嶋は「やれやれ」といった表情。
 ・・・・・・。
 櫛枝?

「あれ? これ大河持ってるよ?」

 ・・・・・・。天災がきた。


   *   *   *


 逢坂大河というのは迂闊の度合が半端無い。素直さからくるデメリットなのだろうが、先天性のドジと相まって悲劇性を何倍にも高める。クッキーを作る際の砂糖と塩、ってベタなのはもちろん、ラブレターに本文を入れ忘れる、相手の席を間違えるetcetc。だが、最たるものは想い人に完全なる勘違いを与えることを自ら招くことだろう。

「え、ちょっ、みのりん?」
「ほら、鞄の隠しポケットにきっちり大事にしまってるデス」
「・・・・・・」

 櫛枝が指差した鞄、咄嗟に大河がひったくった鞄から虎のデザインの縁結びが、落ちた。
 確かめるまでもない。あれは、俺があげたものだ。竜のデザインの縁結び。北村にあげるために渡したものを、いつまでもそんなとこに入れておくお前が悪い。悪いのだが――・・・・・・。

 教室は沸き立つのでもなく、いつものような殺伐とした空気に侵されることもなく、ただシン、と静まり返る。静寂。静寂。誰一人口を開けることなく逢坂大河を見つめている。もちろん、北村もその一人だ。奴は本心からの笑顔を顔に浮かべている。最悪。


 大河は、落ちた虎の縁結びを拾うと、逃げるように早足で教室から出て行った。
 授業開始のチャイムが鳴っても、戻ってはこなかった。


 しょうがないので教師に許可を貰い(すぐに貰えるのは幸い)、探すことにした。


   *   *   *


 逢坂大河は単純に見えて難しい人間だ。その特殊な生い立ちや生活空間が彼女を今のようにしたのだろう。特徴として、人と混じることを嫌うが人から嫌われることを恐れる。素直だったり反発したりする、キレやすかったりするその不安定さもそこからきているのかもしれない。


   *   *   *


 見つけるのは簡単だった。
 一つ、校外にはまず出ない。校則は一応守るのが大河の筋らしい。二つ、見つからない場所。廊下みたいに教師や学生とすれ違う場所をルートとして選ばない。三つ、まぁ、直感みたいなものだがバカは高いところにのぼるらしいので。倉庫や掃除道具箱、使われていない教室など、何箇所か候補を当たったのち、最後に行き着いた屋上に大河はいた。
 角で体育座り。丸くなっていた。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

 こんな時、自分も同じで不器用なのが悔やまれる。かける軽口の一つや二つは常備しておきたいところ。とりあえず口をあけてなにかしゃべろうと思うのに、ただばくばくさせるだけで声にならない。開いた口が塞がらないというやつだ。自分に対して。

「・・・あ」
「・・・・・・」

 どうしよう。
 話すべき本題はある。だが切り出し口が無い。唐突に切り出すには、今の大河はあまりにも不安定すぎる。そして何より、その件に関して俺自身の気持ちの整理がついていないのが現状だから。

「縁結びね・・・・・・あげられなかったんだ・・・」
「・・・・・・おぅ」

 辛いのを、痛いのを必死に堪えて彼女は喋り始めた。

「機会はあったんだ・・・何度も。買ったときはあげようと思ってた」
「・・・・・・」
「でもね、なんか勿体無いような気がして」
「勿体、無い?」

 北村にあげることが? 何故? 北村、好きなんだろ?

「手放したくなかったっていうか・・・・・・」
「・・・・・・」
「ごめんね・・・、本当はみのりんにあげるはずだったものなのに・・・・・・」

 ・・・おい。どういうことだ? 俺は、何を言われているんだ?
 俺から貰ったものを、あげられなかったって。そう言っているのか? そうなのか、大河?
 
・・・・・・。

俺は、大河の、自分への想いがどれほどのものなのかわからない。北村が好きっていうのを撤回している訳でもないし、自分たちは恋人同士でもなんでもない、ただの、パートナー?戦友? いや、竜と虎なのだ。だから、ここで俺だけ退くような、都合良い卑怯な真似をしてたまるか!

「大河」
「・・・・・・」

 今度はこちらが話す番。
 目は逸らさない。恥ずかしいことなんて一つもない。好きとか嫌いとか置いといて、大河にだけは絶対逃げない。


「縁結び、お前に譲ったことを後悔していると思うか、俺が」
「・・・・・・」

 こくり、と首肯。

「お前が、渡さずに自分で持っていたことに怒ってると思うか」
「・・・・・・」

 再び首肯。こいつ・・・・・・。

「当たり前だッ! この、ッバカ! 誰のために縁結び譲ったと思ってんだ! お前、泣きべそかきながら言ってたじゃねぇか!『北村くんに渡せない』って! それを? 渡すのが惜しくなった、だ? そんでもってまた皆から誤解されるんだろーがッ! 北村からも、櫛枝からもッ!」

 思いついた順番でここぞとばかしに罵倒する。
 心にも無いことを。
 大河は半べそ、逃げよう逃げようとするが、逃げさせない。捕まえているからな! 大事なこと、大切なこと、まだ伝えてないからな!

「・・・・・・でも、でもな大河」
「・・・・・・?」

 恥ずかしくない! 赤面してるが絶対に恥ずかしくなんて無い。とうとう堰を切って涙を溢れさせた大河を、それでも正面から正視し告げる。

「俺は、お前がやってることをバカとは思うけど、でも、嬉しかったんだよ」


   *   *   *


 場所変わって自販機前。櫛枝と川嶋。
 どうでも良いが自習中。大河と竜児が抜けて教室がてんてこ舞いなって結局潰れてしまったり。

「しっかし、大河も不器用なもんだねぇ〜」
「櫛枝さん、年寄りくさい」

 花の乙女を捕まえて何を言う、とツッコミを入れることは忘れないのは心意気。

「あ、でも昨日はバイト先の賄い、熟練の味のカレーだったから加齢しゅ」
「でもさ、櫛枝さん。逢坂さんの持ってたあの縁結びって本当に高須くんのなの?」
「そーだよ。バイト先まで見せびらかしに来てたもん。『竜児に貰ったんだよー』ってさ。満面の笑みで。バイト三昧のあっしゃあもう憎さ100倍愛憎1000倍ってやつだよもう」

 ふむぅ、と息をつき、また缶にとりかかる。

「でもさ、素直になれないところが逢坂さんの弱点だよねぇ」
「ふふふ、そこをサポートするのが私の役目なのさ!」

 フェアじゃねぇ、と呟いて、教室に戻る。

「あ、まって亜美ちゃーん! 当たりで出たもう一本どうしよう!?」


   *   *   *


 授業終了のチャイムが鳴った。
 ということは、かれこれ30分近くにらめっこみたいなことしている訳だが。もちろん艶やかな話ではなく、逆に、なんだか「目を逸らしたら負け」的な空気になっている。元気が出てなにより。もう教室戻りたいんだが。

 結局折れたのは俺だった。そう、これが俺の立ち位置だから。
 大河が笑い出す。
 ようやく笑顔。ちょっと強気な俺の相棒。心優しい相棒(すきなひと

「戻るか、二時間続けてだと休み扱いされちまう」
「そうね、いい加減にみのりんたちをふん縛らないと」
「ふ、ふん縛る・・・・・・!?」
「・・・・・・やっぱり今すぐそこから飛び降りれ。いや、飛び散れエロ犬」

 そうして俺らは元通り。
 新年あけましておめでとう。今年もよろしく。
 変わらぬ日常替らぬ一年、代わらぬ関係。積み重ね続ける俺らの日々。

 見上げた冬の空は、雲ひとつなく澄み渡る青空だった。

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 徹夜明けの二日酔い。正直限界。
 いろいろ大目にみてください。時間とか。
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 優しさと熱意を秘めた色。赤。その赤を全身に纏った天使。世間一般の常識としてはサンタクロースは白ヒゲのおじさん。だが、年齢を重ね、理想と現実のバランスがイーブンになっている現役高校男児としては、ついでに一緒に暮らす相手のいない男児としては街角の店員さんこそが真なるサンタクロースと思えるのではなかろうか。

「あ、高須くん! メリークリスマスイブ!」

 しかもその赤を纏うのが純白の天使なら本当に文句など微塵も無い。ありがとう神様。ありがとうクリスマス。クリスマスというのは「どっかの土着宗教を無理矢理キリスト教にした際に出来たもの」というのを何かで読んだ記憶があるが、ならばこれも信仰の一つだ。見るがいい、あの輝く笑顔を。あの輝く純潔さを。彼女だけつけてる(おそらく自前購入の)白ひげも可愛さを引き立てる一因。ああ、世界はこんなにも輝いている。メリークリスマス。前日だが。
 あぁ、唯一、ここが店であることだけが恨めしい。

「クリスマスイブに喫茶店にいるなんて、暇人っていうより物好きだねー?」
「・・・・・・おぅ」

 まったくだ。
 相も変わらず同じような返事しか返せない自分の無能さが嫌だ。眼光ギラギラ、傍から見ればガラの悪い客が店員に絡んでいるように見えなくもないだろう。いや、見えるだろう。いつもそれでガラスの心がひび割れる。でも、いいんだ今日は。この一瞬、最高だから。

「大河もメリー! 今日も二人は一緒だね!」
「みのりんメリー。でも後半は取り消して、絶対」
「・・・・・・」

 予想外のタイミングで予想外の闖入者。
 神様、サンタクロースの傍に虎がいます。鹿じゃなくて。
 しかも明るい挨拶してるがなにか不機嫌、なのか? これは。


   *   *   *


「なんでお前がここにいるんだよ」

 櫛枝が離れたのを見て問いかける。
 そう、いつもは一緒にいることが多いのが逢坂大河。通称手乗りタイガー。一応協力関係?
 でも今日は違うはずだったのだ。今日は、今日はお前・・・・・・

 北村と一緒にいるんじゃなかったのかよ?

「部活仲間と遊びに行くんだって」
「・・・・・・おぅ」
「しかも夜通しってさ」
「・・・・・・おぅ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

 一拍置いて。

「『良いお年を』だって」
「・・・・・・、・・・・・・おぅ」
「それってつまり、『今年はもう会うこと無い』って通告されたのと同じことよね」

 あぁ、つまりは落胆していた訳だな。
 猪突猛進な性格の割にそこらへんは驚くほどに臆病なのが大河だ。クリスマスの件で北村と話をしたっていうだけでも勇気の大部分を使ってただろうに。大河のそこらへんの意を汲まない北村が憎い。

「そうだな。でもな、それでなんでここに来てるんだ?」

 なのに、自分が思っていたよりも心が吐き出した言葉は汚かった。

「私が駄目であんたがうまく行ったら癪に触るじゃない」
「最初からそれだけの協力関係だっただろ?」
「・・・・・・協力者だから、暇が出来たから、協力してあげようかって」
「余計だろ。俺は今日はここに一人で来てるし、それで櫛枝と話もしている」

 俺は何を怒っているのか。北村に嫉妬しているのか? 櫛枝という「好きな子」がいるのに。
 大河のことは、そりゃ好きか嫌いかで問われれば好きだ。ただ、それは「人間として」とか「家族として」みたいなものじゃなかったのか。なのに、これは何だ。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

 この無言は嫌だ。いつものような口喧嘩が出来ないのが、こんなにも不安になるものなのか。


   *   *   *


「帰る」

 どれほど時間が経過したのか。それとも感覚が遠く感じさせたのか。長い沈黙の後、大河はそう言った。いつものように毒を撒き散らすこともなく「帰る」と言った声は、怒っている訳でもなく悲しんでいる訳でもなく、文字通り「失意」を表していた。
 俺は、「おぅ」と、結局いつもと同じ言葉しか出せなかった。

 店を出る前に彼女が言った「良いお年を」が他人行儀過ぎて、痛かった。


   *   *   *


「ようやく休憩だよー! 高須くーん、お疲れ様ー!」
「・・・・・・おぅ」

 仕事がひと段落したからなのかテンション上昇の櫛枝と違って、時間が経過する毎に下降線を辿った後の俺の返事は好感度的にはかなりマイナスなのだろう。そんなことを自嘲的に思っていた。

「あれ? 大河は? 一緒じゃないの?」
「・・・・・・帰った」
「もしかして、喧嘩!?」
「違う」

 そうだ違う。あれは一方的に俺がやっただけなんだから。

「うーん、男女の仲は複雑怪奇なものですからなぁ」

 カカカと笑うサンタ櫛枝。
 と、いきなり表情を真剣にすると、俺に詰め寄ってきて


 ――パンッ!


 軽く、平手で張られた?
 ジンジン痺れる頬。顔を正面に向けて櫛枝を見返す。満面の笑顔。怖い。
 笑ったまま、でも確実に怒っている櫛枝は語りかけてきた。


「あのね、高須くん。ちょっと耳寄りな情報教えますぜ」


   *   *   *


 向こう側のテーブルが大きくざわついている。サンタがチンピラにいきなり張り手を見舞ったのだから一般人の反応としてはあんな感じか。だが、今は一々傷ついてる時間は無い。23時30分、まだまだクリスマスまでは時間がある。

 駆け出す。


   *   *   *


「最近ね、大河は楽しいのよ。以前は怒ることはあっても『楽しい』って感じの時はあまりなかったの。でもね、高須くんと逢ってからそれが出てきてるの。もちろん、あーいう性格だから高須くんの前じゃ怒ってる時が多いしワガママだし、でも、笑ってるんだよ? ちゃんと」

「さっき大河来る前に電話してきたの。『竜児はいる?』『話はしてる?』って。よくわからないし、伝わり辛いけど、大河なりにいろいろ高須くんのことを大事にしてるんだと思うよ」


   *   *   *


 走る。
 全力で走る。
 飲んだコーヒー吐く気で走る。

 家に着く。
 レンジを開ける。冷蔵庫を開ける。チキンを出してレンジへ。その間に軽食を作る。三品、いや四品。チキンとは別に肉も入れよう。材料は揃えてある。飲み物、オレンジジュース、炭酸は駄目だ。レンジが鳴る。少し焦がした。気にしない。料理はタッパーへ。紙袋を取り出して下段から肉・野菜・ケーキ、別で飲み物と今日の為の大切なもの。

 家を飛び出る。
 向かうは隣の高級マンションの一室。
 決意なんて必要ない。使命感が全身を覆っている。


   *   *   *


「高須くんが大河のことをどう思ってるのか知らないし、どういった付き合いしているのかもわからない。でも、多分大河は高須くんが大事にしなくちゃいけない子だよ?」

「明日はクリスマスだよ? 高須くん、サンタにならなきゃ」

 そういうと、櫛枝は被っていた赤キャップと白ヒゲを俺にくれた。


   *   *   *


 23時50分。
 今日は、まだ終われない・・・・・・!


   *   *   *


 一つ、忘れていたことがある。
 大河は捨てられた人形だったということを。

 あの豪華な部屋は過去の残骸。
 どんなに強気を装っても、いや、どんなに独り強くなっても、その心だけは癒せない。
 大河が自分を頼ったのは何故か。「家庭的であること(ここはそれなりに自信がある)」しか取り得も無い男に。

 それはつまり大河も俺と同じだったんじゃないだろうか。


   *   *   *


「大河! おい開けろ大河!」

 玄関は閉まっていた。
 セキュリティは万全だ。おんぼろ我が家のようにこじ開けることは出来まい。それでも叩く。蹴る。隣から出てきた隣人に謝ってまた叩く。

 23時55分。
 時間が無い。もう、無い。

「ふ」
「ふはははは、はははっはは」

 笑えてきた。もう駄目だ。もう終わり。良いお年を。

 ・・・・・・良いお年を?


「ふっざけんなッ!」

 今年もう逢わないってか? そんなのお前がよくても俺が駄目だ。
 いいじゃないか。やってやろうじゃないか。
 俺は赤服・赤キャップ・白ヒゲのサンタクロース。
 俺は高須竜児、竜だ。最強の虎の番(つがい)だぞ。


   *   *   *


 ドアを叩く音が鳴り止んだ。
 もう、声も聴こえない。

「・・・・・・」

 静寂に包まれた部屋の中、逢坂大河は思う。

 高須竜児。顔は怖いが心は優しい、おせっかい焼き。それが自分の竜児評だった。
 自分とみのりんとのことは臆病でてんで駄目なくせに、人のことには全力で助けに入る。それでもって自分へ向かう気持ちにはものすごい疎い。

 イライラする。

 竜児のこと。
 自分のこと。

 そして落ち込む。

 自分が言ったこと。
 竜児に言われたこと。

 明日はクリスマスだ。でもサンタなんかいない。小さいころから来てくれることを願ったサンタは結局のところ一度たりとも自分のところへは来てくれなかったのだ。

 自分が悪い子だからなの?
 高望みをしすぎているのが悪いんだ。

 竜児は、隣の家は、どうしているのか。
 窓を開け・・・・・・



「た、助かった! もっと開けろ大河! このままじゃやばいッ!!」

 サンタが落ちかけていた。


   *   *   *


 部屋は暗かったが、直感は正解だった。
 大河はいた。

 ほぼ賭けだった。大きな賭けだった。
 最上階ということもあり鍵を閉めないで寝ることがあるのは知っていた。だから今日も開いていると踏んだ。駄目だった。閉まってた。でも、結果的に窓は開いたからこれでいいのだ。

「りゅ、竜児ッ! 危ない! 何してるのこの馬鹿ッ!!」

 おぉ、やっといつもの大河だ!
 馬鹿なことしているのは十分承知、だけどお前に言われる筋合いは無ぇッ!!
 でも、し、下は見ない。見たらだめ。
 外の手すりに掴まりガクガク震える両手両足をジタバタさせながら俺は叫ぶ!

「い、いいか! よく、良く聞け大河!」

「め、めりーくりすます」
「え、な、何!?」

「だからっ! メリークリスマスだッ!! 何が「良いお年を」だッ!! そんなんお前が良くても俺は駄目だ! 俺とお前は二人で一緒だッ! 良くわからんが好きだ大河ッ!!」

「ちょ! ちょっ!! 何言ってんのよあんた! 死ぬよ! 死ぬから!! よく落ちるよそこ!!」

 あぁ、良いお年をが良い落としか。うまいぞ大河。

「櫛枝も好きだ! 恋人になりたいと思ってる!!と思う? だけど! だけどッ!!!」

「今はお前が一番大事だッ!!

 お前が一番大好きだッ!!」



 言い終えた。
 時計が聖夜の始まりを告げた。

■[とらドラ!]とらドラ3! レビュー はてなブックマークに追加カウント タグ:締めスライド閉め

 どちらかと言えば最初に死にかけてるインコちゃんのが心配。
 竜児以外みんな不細工不細工って・・・・・・。
 そして、異世界で魔法とかよりプールに木刀っていう組み合わせの方がかなりインパクト。

 黒ツン+素ヒートな「手乗りタイガー」逢坂大河と、彼女を甲斐甲斐しく助ける顔は怖いが心は優しい高須竜児の織り成す真っ当な学園暴力ラヴコメ第三弾。

 前巻のラストの亜美(ヒロイン三号)と竜児の抱擁シーン(事故)を見てしまった大河(ヒロイン、力の二号)の「訳分からない」イライラでもってスタート。
 ベタといえばベタだが、じわりじわりと竜児×大河のラヴ度が堅実に上がっております。
 大河の嫉妬ツンとか。
 それ見て「本当に俺のことなんて毛ほども気にしてないんだろ」的心の傷を負う竜児とか。

 待ってたんだ。
 そう、これを待ってたんだ。

 櫛枝(大怪獣)と北村(眼鏡)との協力関係に意固地になって、お互いのお互いを想う気持ちに気付かない大河と竜児のツンっぷりが、でも衝突してその度に素直にまた衝突して。
 結局、好きな人より誰よりも、お互いがお互いを大事にしてることを自覚しないように拒絶してるところの歯痒さが、とてもとてもおいしかった。

 あと、もう一息。
 ぶっちめろ、手乗りタイガー! それと、おまけの竜!

とらドラ! 3 (電撃文庫)


オンライン書店ビーケーワン:とらドラ! 3

 ネタバレ可の場合のみ続きをどうぞ。
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 竜児を賭けての水泳対決。
 竜児を亜美に取られたくないという本心に気付けず、でもやっぱり嫌で素直になれずも特訓に励む大河(カナヅチ)に、その心情を理解しきれてなくて失言オンパレードの竜児。
「北村も応援してるからな」とか「別に嫌ならいいんだぞ。お前は関係ないことだし」とか。

 でも、竜児も本当は大河が自分を賭けた勝負に出てくれたことが嬉しくて、でも、その気持ちも大河に届かず空回り。

 もうこの段階で「あぁ、じれってぇーーーーッ!」てなったけど、最後ので全て大満足。

「主人がおまえのためにがんばってんだ、もっと喜べ! この鈍犬野郎!」
「・・・・・・よっしゃ、そんなら行けっ! 尻尾でもなんでも振ってやるっ!」

 結局、喧嘩してたのに大河のピンチに自己犠牲で応える竜児。
 そして、勝負(北村好感度)よりも竜児を選ぶ大河。
 勝負には負けるけど、気絶した(半分覚醒、気絶したふり)竜児に跨って周囲を威圧しながら

「触るなーーーッ!」
「竜児は、私のだぁぁぁーーーーーーーーッ!!!
 誰も触るんじゃ、なぁぁーーーーーッい!!!」


 って、雄叫びを挙げるシーンとか。

 なお、このシーン時の竜児の心境とかもなかなか。

 もっと喜べ、と言ったな、大河。喜んでるぞ、俺はずっと、最初から
 にこにこ。にこにこ。

「ひぃッ!」
「高須が何かを企んでるッ!!?」
「総員退避ーー!」

 まぁ、そんなノリ。

「・・・・・・地獄のようだったわっ!(by大河」


 それから、最後に一つ。
 犬、と竜児を呼んでる大河だけども、さ。

「私の」犬って言ってるぜ、竜児さんよ。
 で、手放さんとも。

 そして、竜児の頭の中。
 大河の生存>みのりん+亜美とのアバンチュール。
 いい加減に少しくらい認めろよ。
 あと、「大河の水着姿だけ正視できない竜児」は物凄く実はラブ度が高いのではないだろうか。

 人工呼吸よりすごいゼ?(byフリクリ

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